ゲスト・スピーカー

 

班 忠義 Ban Zhong Yi
中国/ノンフィクション作家・映画監督

 

1958年、中国遼寧省撫順市出身。1987年来日。上智大学・大学院を卒業後、中国残留婦人問題に取り組み、「曽おばさんの海」(朝日新聞社)を出版、第7回ノンフィクション朝日ジャーナル大賞を受賞する。1995年、中国人元“慰安婦”を支援する会を発足。96年、「近くて遠い祖国」(ゆまに書房)出版。98年、雲南の子供たちの教育を支援する会発足。99年、ドキュメンタリー映画『チョンおばさんのクニ』(シグロ製作)を監督。06年9月に書籍「ガイサンシー《蓋山西》とその姉妹たち」(梨の木舎)を出版。07年、ドキュメンタリー映画「ガイサンシー《蓋山西》とその姉妹たち」(シグロ制作)を監督。

 

エイダン・デルガド Aidan Delgado
アメリカ/イラク帰還兵

 

イラク戦争退役軍人であるアイダン・デルガドはイラク戦争中、平和主義に基づく良心的兵役拒否者として応募、受諾されたが、それはアブグレイブ刑務所にて起こっていた虐待を目撃した後だった。そして、デルガドはアブグレイブ刑務所でおこっている残虐行為の写真や話をイラクから故郷アメリカへ持ち帰ってきた。彼は、70人のメンバーで構成されるグループ「平和のためのフロリダ」を2005年にワシントンに連れていくなど、たくさんの反戦イベントに参加したり、多数のインタビューや戦争に関する映画などにも出演している。彼は、「アブグレイブの経典」という本を2007年8月に出版した。

 

ジョセフ・ガーソン Joseph Gerson
アメリカ/アメリカフレンズ奉仕委員会

 

ジョセフ・ガーソンは1976年よりアメリカフレンズ奉仕委員会に加わり、現在はニューイングランドにあるこの委員会の平和経済安全保障プログラムの責任者として活動している。彼のプログラムは、核戦争の脅威やアジア太平洋・中東においての軍事支配などに象徴されるアメリカの覇権に対する挑戦と克服しようとするものである。ガーソンは、1960年代中盤からアメリカにおける正義や平和運動に関わり、公民権運動やベトナム戦争召集拒否者として著名になっていった。彼の活動は、1980年代に核凍結運動の開始を促し、世界における核廃絶、反基地運動、平和・反戦同盟の設置にも貢献してきた。近著に『帝国と核兵器』があり、同書はアメリカ、イギリス、日本(邦訳は新日本出版より)で出版されている。

 

権 赫泰 Kwon Heok Tae
韓国/聖公会大学教授

 

高麗大学史学科卒業、一橋大学から経済学博士、山口経済学部助教授を経て、現在、韓国・聖公会大学日本学科教授。戦後日本の平和理念の歴史的形成過程を丹念に追い、最近の東北アジア情勢における流動化に伴う日本の進路について積極的に発言をしている。最近では、韓国において「平和憲法連絡会議」という市民団体、研究者、弁護士から成るグループを組織し、東北アジアにおける日本国憲法9条の意義を検証する作業を進めている。主要論文に「日本の憲法改定と日韓関係の非対称性」(『創作と批評』05年秋号)、「日韓関係と『連帯』の問題」(『現代思想』2005年6月、青土社)、「改憲と歴史認識を周辺国から問う」(『世界』2007年10月、岩波書店)等がある。

 

ガス・ミクラット Gus Miclat
フィリピン/国際対話イニシアティブ

 

フィリピンの団結・権利擁護団体「国際対話のためのイニシティチブ」の共同設立者・代表。マルコス政権に強く反対する反独裁運動に深く関与し、1985年以来、市民外交や国際社会連帯運動などに関わっている。元ジャーナリスト、編集者、大学の講師、演劇役者及び主催者で、現在はアジア太平洋連帯連合(APSOC)の地域コーディネーター。GPPAC(武力紛争予防のためのグローバル・パートナーシップ)の東南アジア地域のイニシエーターでもある。